2016年8月の優秀作品
自由テーマ
『シゾール ハンチング』
帽子専用のシゾール帽体(麻)を木型に型入れ後、横幅を感じるシルエットを変える為、ハンドワークで左右にへこみを入れて、個性的なアレンジに。思い切ったラインが新鮮な印象、かつ被り手に似合う作品に完成。メンズハットとしては珍しい、切りっぱなしを活かした飾りも、良いアクセントになっている。
作者: 鴨川圭さん(中等科)
『帯地のリフォーム帽子』
頂き物の包まれていた古い帯地端切れ(クラウントップ部分)を活かして、タイト目に被るトーク型を完成。サイド部分は、ぴったりとあつらえたかのような色・雰囲気の太いブレードを合わせ、後ろの飾り部分まで一続きで仕上げている。細やかにあしらわれた、ビーズ飾りが、全体を繋げていてGOOD。大切な想い出の品のリフォームに取り組まれるという今後の作品も楽しみにしたい。
作者: 大森彰子さん(高等科)
『ウェディングハット』
トップラインと、ブリムのエッジンに、ボーンを入れ、芯は極力少なく、軽く、華やかに仕上げた、ツバ広のウェディングハット。扱いの難しいサテン生地で、飾りの造花も制作。『ボーン』を使ってみたかったという、技術の探求心からの発想に拍手。予定外にブリムのそりが出たようだが、どのようになっても、まとめ上げる作者の力量を感じられる作品に仕上がっている。
作者: 成田佐知子さん(高等科)
『Alice in Wonderland』
赤と黒の2つのフエルト帽体を同型に型入れして、アシンメトリーな直線的ラインを決め、カットしてパーツを入れ替え接ぎ合わせた作品。2枚の接ぎ目は、表に針目を出さずに、フエルトの厚みをすくって手縫い仕上げ。細目レザーベルトで全体を引き締め、アンティーク調のウサギのポイント飾りが、帽子の物語を感じさせてくれる。作者の技術力による完成度の高さに拍手を送りたい。
作者: 松田喜美さん(高等科)
『冬のお出かけ帽子』
写真からパターンを起こす課題コピー作品の中で、難易度の高い10枚接ぎクラウンのクロッシェ。黒っぽい2色の布だが、ラメや、光系の繊維がおしゃれ感を増し、大人のおしゃれ帽子が完成。共布で作ったループなどに合わせ、光る大き目なパーツをあしらったことで、全体に華やかさがプラスされ、存在感もアップ。作者のまとめ力が素晴らしい。
作者: 伴場久仁子さん(高等科)
『ちょっとおしゃれな帽子』
課題の自作のパターンで、無地の合皮と柄物コットンを効果的に配置して、デザインの特徴を効果的に表現した作品。5枚接ぎの自作クラウンパターンも、横でクロスするブリムパターンも、きれいな配色でバランスよくまとまっている。確かな縫製技術が、作品の完成度を高め、好感度大。ちょっと個性のあるお洒落帽子として、お出かけにぜひ活用していただきたい。
作者: 本宮洋子さん(中等科)
『傘デザインを帽子で』
市販の傘のデザイン(中央がとんがりがポイント)を参考に、難しいパターン作りと高度な縫製力の要る作品にチャレンジ。手作りで可愛いフリルブレードを作り、クラウンに効果的に配置され、かわいらしさと華やかさがプラスされている。裏や、シルエットにもう一息の改善部分もあるようだが、作者の研究チャレンジに拍手。
作者: 村木ミチルさん(中等科)
『とんがり帽子』
鮮やかなブルーの麻素材で、楽しい遊び心あるとんがり帽子が完成。前後アンバランスな数種にわたるパターンは、作者の形を捉える確かな目と、表現力が感じられ、じっくりと取り組んだパターンのシルエットが魅力的。あっさりと巻いた飾りループに付けたアンティークボタンも本体に負けない存在感があってGOOD。シンプルながら、味わいのある作風に、ファンも多くなっている。
作者: 成田佐知子さん(高等科)
『ベレー帽をアレンジして』
既成の型紙にアレンジを加えて、4種類のコットン生地をバランス良く組み合わせ、大小のお花飾りもバランスよくまとまっている。サイドバンドは、様々な角度から見て、変化を楽しめるような曲線を描いたり、ワンポイントのアクセントになるカッティングをプラス。作者の細やかな想いが伝わり、ナチュラルテイストかつ華やぐ雰囲気が心地よく、優しい気分になれる作品に。
作者: 谷川 涼子さん(中等科)
『機能性のあるバイザー』
麻ブレード素材でブリムの裏にはハードチュールを合わせて、軽さと、復元性のある張り具合も考慮。ツバ広ながら、風で飛ばない風通しの良さなど、機能を考え抜かれたバイザー型。後ろのD管に、共ブレード素材でベルト状にして通して、マジックテープで、細やかなサイズ調整に対応可。被らない時にはくるりと巻いて、マジックテープで止め、持ち運べる等各所の工夫が便利。
作者: 浅井ゆかりさん(中等科)
『フリーサイズの帽子』
4枚接ぎにダーツを入れた自作のツバ広リバーシブルチューリップ型。きれいなシルエットで被り心地も良く、しっかり日除けもでき、コンパクトに収納もできるのも嬉しい。クラウン接ぎ目にループを縫い込み、ベルト飾りを通し、ポイント部分でサイズ調節が出来るようマジックテープを使用。スカーフなどに飾りを取り換えて、服装に合わせて、雰囲気を変えて楽しめるのもGOOD。
作者: 山元けさみさん(中等科)
『風に飛びにくい帽子』
6枚接ぎのクラウンにブリムをつなげ、試行錯誤を重ね完成したチューリップ型は完成度が高く、好感度大。サイズリボンを付けないリバーシブル仕上げで、表側に響かないよう、裏側サイズ元のみゴムを通せるように加工。飾りのようなアクセントになるストッパー付きゴム紐によるサイズ調整可。奇をてらわず、仕立ての良さと使いやすさの研究成果を感じる、地道な取り組みに拍手。
作者: 坂本正美さん(中等科)
発見と学び溢れる「帽子研究会」の、個性溢れる注目作品のご紹介
帽子の学校スダシャポー学院では、毎月テーマに合わせて、初等科から、高等科まで合同で、授業の中で帽子研究会も行っています。帽子の知識等の座学だけでなく、似合う被り方の実地レッスン、また、初等科以上のクラスで各自が制作したオリジナルデザイン帽子を元に、より良い作品作りに役立つ帽子の見方や、発想を広げるレッスンも行います。研究会に出品された作品の中で、注目作品や優秀作品を、写真とコメント付きでご紹介しておりますので、ご覧いただければ幸いです。