2016年6月の優秀作品
テーマ メンズハット
『高級感のある メンズキャップ』
透け感のある、柔らかなカモフラージュ柄の素材にドレープを入れ、ドゴール帽調のシルエットにまとめた作品。ブリムは、表の山羊皮を張り合わせ、カッチッとしたメンズ感を表現。ブリム皮の色は、ご自身で色付けしたという、布の茶色部分とまさにピッタリの色目が素晴らしい。コクのある存在感を放つ、高級感のあるデザイン物のメンズキャップに。
作者:及川幸子さん(中等科)
『ピンタック入り、フリーサイズハンチング』
手持ちハンチングパターンに改良を重ね、完成させたシルエット。シンプルな麻生地に、左右アンバランスのピンタックラインを入れ、サイズは後ろのベルトでサイズ調整をできる仕上げに。茶・ベージュ・綿レースというアクセントラインを入れ、レース部分は、柿渋で染めにて。一つの帽子に、デザイン、被り心地、通気性など機能も備えた、渾身の一作に拍手。
作者:山元けさみさん(中等科)
『Camouflage Boy』
クラウン上部6枚接ぎ、ブリム上部分はクラウンの見返しが1枚付き計7枚接ぎの、ハンチング風変形キャップ。カモフラージュ柄の素材と、柔らかく通気性の良いパンチングレザーで、インパクトを出しながら、実質的にはとても軽い仕上がりがGOOD。少々浅い被り心地のシルエットは、今後改良を予定ということで、デザイン性のある作品としてのご紹介。
作者:松田喜美さん(高等科)
『アイディア満載の メンズ ベレー』
タック部分に通常は外に見せないホックを飾りとして使用し、ホックを外すと、その部分を遊ばせることも可能。ベレーは布の余裕のある部分を自分で似合うように変形させて被るが、まだ自由に被りこなせない初心者にも、そのまま被ってもらおうという趣旨。質感など作者の当初の意図は表現しきれなかったようだが、独自の発想に今後の作品展開を期待したい。
作者:松岡順子さん(中等科)
『タックを飾りに』
メンズには、やや珍しい印象を受けるピンタックだが、集中した3本が、良いアクセントになっている。トップを2枚接ぎにし、ほんのり出した山具合、また、中央より下でまとめたピンタックの位置も自然で落ち着いたバランスに。質感の良い生地で、さりげなくおしゃれに被ってほしいハット型に完成。
作者:岸良ミキエさん(中等科)
『父と子のキャップ』
基本的な6枚接ぎ丸クラウンのパターンに切り替えラインをデザインし、父と子が一緒に被るという設定で、温かみのある作品に仕上がっている。ブリムのふちをずらし、クラウンとのつながりを表現したところもポイント。縫製は要研究部分もあるが、初のご自身で作った立体裁断オリジナルパターンを、デザインを加え、ここまでまとめたことに、拍手。
作者:中川佳之さん(中等科)
発見と学び溢れる「帽子研究会」の、個性溢れる注目作品のご紹介
帽子の学校スダシャポー学院では、毎月テーマに合わせて、初等科から、高等科まで合同で、授業の中で帽子研究会も行っています。帽子の知識等の座学だけでなく、似合う被り方の実地レッスン、また、初等科以上のクラスで各自が制作したオリジナルデザイン帽子を元に、より良い作品作りに役立つ帽子の見方や、発想を広げるレッスンも行います。研究会に出品された作品の中で、注目作品や優秀作品を、写真とコメント付きでご紹介しておりますので、ご覧いただければ幸いです。